矯正歯科を標榜していると、歯並びの相談を多く受けます。
特に、乳歯から永久歯にはえ変わる6歳前後の永久歯 特に上の前歯がはえ変わってくる時に「真っすぐはえて来なくて歯並びが心配」と言う相談を受けることがあります。
今回はこれらについて図も用いて詳しく説明していきます。
まず、下の図に示すように正常に永久歯の前歯がはえて来る方向が斜めなのです(ここでは主に上の前歯について説明していきます)。
上の状態の前に「中切歯」と言う真ん中の前歯が6歳前後にはえてきます。
そして、7歳位になると図の状態になります(この図では側切歯と言う歯がはえてきています)。
この時には以下の3つについて問題がなければそのまま放置して良いですという説明をします。
それは
1.過剰歯(正常な歯ではなく余計な歯)がある場合
2.顎が小さく歯が大きい状態(これは矯正歯科の訓練を受けた先生ならば予測値などである程度の予測ができます)
3.顎の骨が位置的に問題がある場合(これも、噛み合わせが逆・出っ歯など普通の人が見てもわかることが多いです)
です。
「この3つがなければ心配要りません」と言う説明を行います。
そして、9歳位になると下の図の状態の様に完全に側切歯と言う横の前歯がはえて来ます。
ここでも、少し前歯の中央部分に隙間がある状態になっていまいます。
また4つの前歯は斜めの状態になっています。
ここでの注意点は、先ほども述べましたが側切歯が生えてきていてあごの大きさが小さい人、歯が大きい人の場合(もしくはこれの複合)は、歯並びがガタガタ(専門用語では叢生と言います)の状態になってしまうことです。
このガタガタの状態も程度によっては、永久歯がすべてはい揃った時に解消されることがあるので矯正治療に関するトレーニングを受けた歯科医師のところで相談するのが良いでしょう(これについては詳しい解説が必要なので後に詳しく解説します)。
そして、14歳頃になると前歯の方向も真っ直ぐになって、前歯の隙間も閉じて綺麗な状態になることが多いのです。
このようになるのは、犬歯が生えてくることによって斜めの方向にはえていた中切歯と側切歯を真ん中の位置に押し戻すためです。
この時でも、もしも前歯の隙間が閉じないときは、あごの大きさに比較して永久歯が小さい可能性(もしくはこれの複合)があります。
前歯の歯並びが綺麗に並ぶかどうかはこれで理解できたのではないでしょうか?
ここで、前歯のガタガタの状態が解消されるかどうかについてお話しをしています。
簡単に判断する方法はありません。
理由は、矯正専門医もしくは矯正認定医は永久歯の大きさをレントゲンもしくは歯の模型を使用して予測を行います(私は模型を使用して予測をしています)。
その為、歯科医でも予測に関する教育もしくはトレーニングを受けないと困難です。
ただし、それだと回答になっていないのであくまで一般的な話&自己責任で判断して下さい(また、今回のお話しは上あごの話です)。
通常の顎の大きさと歯の大きさの場合は前歯の重なりが隣の歯の1/5程度であれば改善される可能性が高いです。
1/3~1/4の場合はガタガタになる可能性が高いです。
心配ならばやはり矯正歯科医に相談するのが良いでしょう。
YOU歯科 院長 歯学博士 石井 教生
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