6才臼歯が生えてくる時に、「歯がかけた」などと言って白い硬いものがお口の中から出てくることがあります。
実際に私達が見ても、歯がかけている訳ではなくてこの場合はあごの骨の一部が剥離してお口の中に出てきた状態になったものです。
これを萌出性腐骨(ほうしゅつせいふこつ)と呼びます。
この原因となるのは、永久歯が出てくる時に上にある骨が上手く吸収されず残留してしまったことによります。
その他に、萌出性腐骨の原因つとしては食べ物が柔らかくなって適切な力があごに伝わらないということも一つにあげられています。
永久歯への交換期に際しては、食べ物についても噛みごたえのある食べ物等に留意しなければいけません。
自然に排出される場合は、問題ないですがはえてくる途中で大きく残ってしまった場合は歯科医院で取ってもらう必要があります。
理由は、痛みを伴うからです。
一般に6才臼歯が出てくる時期は、お口の中の環境もかわり痛みを訴える場合があります。
萌出性腐骨とそうでない状態の見極めは、写真のように歯の上に硬いもの(清潔な綿棒などで触ることをお勧めします)があるかないかです。
また、触る時に痛みを訴える場合があるのでその前にどの程度の痛みがあるのかを良く聞いて下さい(あまり強いようでしたら、すぐに歯科医院に行きましょう)。
硬いものが触れない場合は、歯が出てくるときの痛みですから清潔に歯ブラシを行い様子を見ましょう。
もし、硬いものが触れて痛みを訴える場合は歯科医院の受診をお勧めします。
違和感程度であれば経過を見て自然に脱落するのを待っても問題ないです。
通常は数日で脱落します(それ以上脱落しない場合は大きくなる可能性もあるのでその場合も歯科医院の受診をお勧めします)。
処置としては、我々がピンセットで簡単に取れる場合(当院では笑気ガス麻酔を併用し、極力痛くないように処置しますが)や、注射による麻酔を併用して取らなければならない場合の2種類があります。
もう一つ注意しなければ、いけないのは6才臼歯が見えない場合でも萌出性腐骨が生じる事が有ることです。
6才臼歯が見えない状況でも中で骨が死んでしまう(腐骨)になってしまうことがあります。
この場合は、歯ぐきの赤みがさらに強く赤くなって(グジュグジュした状態にもなります)、噛んだときやだまっていても痛みを訴える場合があります。
その場合も、歯科医院を受信して腐骨をとってもらうようにして下さい。
歯科医師でも小児歯科に詳しい歯科医師ではない場合は何かわからないことがあるので注意が必要です。
YOU歯科 院長 歯学博士 石井 教生
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