大人でも子供でも重要なことは、病気を治すことよりも病気を予防することです。
そして、小児歯科領域において最も重要な予防的なものは歯ブラシです。
如何に上手に歯みがきをして汚れを取り除くか!ということが最重要事項です。
実際に保健婦さんや一般の小児科医が受ける育児相談で最多なものは「おむつをいつ辞めるか?」ということと「泣かないで歯みがきをする方法は?」という相談のようです。
当然ですが、小さいお子さんは自分で歯みがきをすることができません。
その為に、お母さんが歯みがきをしてあげるというのが最初のお口をケアするスタートとなります。
最初にいきなり歯ブラシを入れようとしても泣き叫ばれるのは明らかです。
お口は生命に関係する為に、感覚が鋭敏な所なのです。
実際我々は、髪の毛が入っていた場合それを識別することができますね。
それ位感覚が鋭い所に、いきなり歯ブラシを入れようとしても上手く行かないのは当然です。
最初にガーゼを推奨する先生もいますが、一番最初はお母さんの指が良いでしょう。
他の動物たとえば犬は、母親犬が自分の子供が悪いことをする場合口を押さえつけてしつけをするそうです。
お口を触られるというのは、我々人を含め本来動物にとって非常に不自然なことなのです。
ですので、まずはお口の周りを触る事に慣れさせることです。
まずは、お母さんの指でクチビルを触ってお口を触られる事に慣れるようにしましょう。
それが、出来たらクチビルを引っ張ったり、押してみたり触らせてくれることに抵抗をなくすようにしましょう。
そうすると、お口の中に物を入れる抵抗が少しずつ無くなってきます。
指で歯を触れるようになればこっちのものです(噛む危険性もあるので十分注意して下さい)。
その後は、ガーゼなどを用いて歯の表面をふいてあげたり汚れをとるようにして下さい。
ガーゼなどを使用できるようになると、徐々に歯ブラシに移行します。
最初の頃は、ガーゼを使うことに慣れず泣く子もいると思います。
しかし、泣かれても習慣にしないとお子さんのお口の健康を保つことができません。
その為、毎日練習をして徐々に慣れるようにしましょう。
そして丁度、子供は歯がはえる6ヶ月くらいで歯ブラシなどもつかむことが出来るようになります。
ガーゼなどの使用になれたら、自分で歯ブラシをもたせてお口に歯ブラシを入れることに慣れさせるようにしましょう。
そうすると、お口に歯ブラシを出し入れしたりして自分で歯ブラシで遊ぶようになります。
自分で歯ブラシを出し入れ出来たら、お母さんが歯ブラシで磨いてあげましょう。
ここでも、歯ブラシを入れたり動かしたりしたら泣くお子さんがいます。
先ほど説明したように、毎日練習して歯ブラシが出来るようにしましょう。
こうして、歯ブラシに慣れることによってお子さんの歯を虫歯から守ることができます。
YOU歯科 院長 歯学博士 石井 教生
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