江別・大麻の小児歯科 YOU歯科 むし歯はどの時期に削るのが良いのか?

 

 

近年、予防歯科の高まりからむし歯になったからと言ってすぐに削ることは無くなってきています。

 

 

理由は、むし歯というのは一度なったら坂を転げ落ちるように一方的に悪くなる訳ではなくてむし歯が進行したり停止したりしていると言うことが解ってきているからです。

 

 

昔は一度むし歯になると悪くなることしかないので直ぐに削って、更にむし歯になりそうな部分は予防拡大と言う概念でむし歯になりそうな部分まで削ってしまうと言うのがむし歯を削る基本的な考え方でした(G.V.Blackという昔の偉い先生が考えたコンセプトです)。

 

 

この予防拡大と言う概念が長く歯科教育にも浸透していました。

 

 

しかし、最近は予防的プラグラムであるフッ素の使用、砂糖の摂取制限、フロスの使用などを行うことである条件であればむし歯の進行が抑制されるという研究がなされています。

 

 

ただし、この予防プログラムが日本では受けないと思います(定期的にフッ素をぬったり、歯ブラシ指導を一生懸命行ったりしても、定期的についてきてくれるお母さんの頻度が、北欧などに比べると少ないと思います。私の力不足があるのかも知れませんが・・・・)。

 

 

その為、YOU歯科にはむし歯(完全にむし歯で穴が開いた状態を言います)になって削らざるを得ない小児の患者さんがほとんどです。

 

 

しかし、いつ場合によっては削らないで予防的プラグラムで対処する小児患者さんも少数ですがいらっしゃいます。

 

 

私も適当に削っている訳ではなく論文などを読んで判断しています。

 

 

もちろん論文だけの基準で削る訳ではなく、私の今までの患者さんを診て来て(臨床経験といいます)総合的に判断します。

 

 

そうは言っても、一般的にいつむし歯を削ったら良いのでしょうか?

 

 

そのあたりを論文を背景に説明をして行きます。

 

 

残念ですが小児のみを対象にした研究は少なく、多くは学童が対象です。

 

 

多くの研究ではレントゲンを用いてむし歯の進行を評価していつ削った方が良いのかを判定します。

 

 

江別・大麻の小児歯科 YOU歯科 虫歯を削る時期

 

 

一つの基準は象牙質と言う部分に0.5mmにむし歯が進行したむし歯はその後の進行が速いのでむし歯を削った方が良いと言う報告です1-2

 

 

予防的なデータを一つ詳しく説明していきます。

予防歯科の先進国であるスウェーデンで行われた研究です。
 

 
ストックホルム公立歯科診療所という所で定期的管理可能な1113歳の子供548名に対し、レントゲン写真(専門用語では咬翼法X線写真というものです)を毎年誕生月に撮影し臼歯隣接面(歯と歯のあいだ)を観察しました(エナメル質象牙質の境目に達した子供では半年ごと)。
 

 
その結果、21歳の時点で、29%がエナメル質にまでしかむし歯が進行せず、14%では象牙質に達しても経過観察したむし歯、5%が修復したむし歯と言うデータがあります。
 

 

ここでは、8~10年経過しても適切な予防処置が行われればむし歯の処置をおこなったのが5%と言う結果になっています。

 

 

ただし、これはあくまで定期的に歯科医院に通って、かつ適切な予防的処置を行った場合です。

 

 

更にこの他にどれ位の深さのむし歯になると進行が早いかについて行った研究があります。

 

 

これは象牙質の1/2に達するむし歯は進行がかなり早いので、この様なむし歯は削って修復した方が良いと言う論文です3-4

 

 

日本ではこのむし歯治療の領域もかなり進んでいますが、どの時期にむし歯を削るかについては海外の報告を多く参考にしているのが現状です。

 

 

私自身も日々の小児患者さんを診察する時には、この様な事を参考にむし歯治療を行っていますが、これが全てではありません。

 

 

日本では、論文の様に予防プログラムをしっかり実践できる訳ではありませんし、むし歯の活性が強い小児の場合(直ぐにむし歯を作ってしまうお子さんなど)は、ちょっとあやしいむし歯の初期の状態でも削ることがあります。

 

 

削って正解だった場合もありますし(もっとちゃんとうちじゃなくても良いから歯科医院に通ってよと思います・・・・)、削らなくても維持できたなと思うこともあります(こちらの割合は少ないですが)。

 

 

これは、小児によって状態がその都度変化するので(急に真面目に歯を磨くようになったなど)、かなり判断が難しいのが現状です。

 

 

本来は極力歯を削らない方が良いのです。

 

 

乳歯とはいえ、修復物は劣化しかしないからです。

 

 

自分の歯は成長にあわせて上手く適応しますが、修復物にはその能力がありません。

 

 

医学に絶対はありませんが、歯を削る削らないに関しては可能であれば絶対に削らない方が良いのです。

 

 

参考文献:

1Majare,ICaries development from 11 to 22 years of age:A prospective Radiographic Study.Caries Res,3210-6,1998.

2Foster,L.VThree years in vivo investigation to determine the progression of approximal primary carious lesion,British dental journal 185(7)353-7,1998.

3 Mejare,IIncidence and Progression of Approximal Caries from 11 to 22 years of Age in Sweden:A Prospective Radiographic Study.Caries Res,33(2)93-100, 1999.

4五十嵐 賀世:初期う蝕に対する切削処置の時期決定に関するevidenceに基づいたアプローチ.歯界展望,955664,2000.
 

 

YOU歯科 院長 歯学博士 石井 教生

 

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