歯科医師がむし歯の深さがどの程度かをしっかりと判断する、1番正しい方法はレントゲン写真を使用する診断方法です。
この方法は、デンタルフイルムと言う歯を撮影する小さなフイルムを使用して間でもらってむし歯の深さを診断してあげるのが最も感度が高いと言われています1-3)。
どの時期にむし歯を削った方が良いかと言う論文もありますが、今回は長くなるので割愛します。
むし歯を削る時期について詳しく解説していますので興味がある方はこちらをご覧下さい。
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むし歯の深さを診る研究レベルでは、レントゲンを特定する専門とする先生(専門用語では歯科放射線講座という大学が多いと思います)の経験豊かな専門医の先生が虫歯の深さを判断するという方法をとっています(更に研究レベルでは複数の歯科放射線医が2人で診断しています)。
しかし、我々開業医レベルではなかなか厳しいものがあります(レントゲン診断の為に、歯科放射線専門の先生を雇用する歯科は、病院歯科以外には全くといっていいほど無いでしょう)。
もし、そこまでお望みであれば大学病院を受診してこの論文読んだので2人の経験豊かな放射線専門医にむし歯を診断して欲しいと要望されても良いかも知れません(コストの関係で無視される可能性が高いですが)。
そのため、YOU歯科で利用しているむし歯の深さを測定する医療機器があります。
これは、むし歯の深さをレーザーの光で測定して、数値化することができるものです。
この医療機器はドイツで製作されており、Ka-Vo社と言う世界で最大級の歯科医療機器会社が制作しています。
日本の歯科器械もそこそこ進歩していますが、まだアメリカやヨーロッパの企業にはかないません(その証拠に日本の歯科医療機器はほとんど海外に輸出されていません)。
この器械はDIAGNOdent(ダイアグノーデント)と言うものです。
歴史的な検証や正確さではレントゲン写真劣ります。
しかし、最も良い点は、レントゲンと異なり放射線被曝をしなくていいと言うことです。
また、数値で表すされるので虫歯の進行具合もわかると言う大きな利点があります(レントゲンの場合は先ほどもお話ししたように熟練および経験がものを言います)。
そのため、当院ではむし歯を削るかどうか判断する時の1つの基準として、このダイアグノーデントと言う機器を利用してむし歯を削るかどうかの基準にしています。
精度がレントゲン写真ほど高い訳ではありませんが補助的に使用するには非常に優れた機械です。
下の器械がそうです(30以上だと歯を削った方が良いと言う文献が多いです)。
ただし、これも水分と色などに影響を受けると言われていますのでその辺を補正して数値を参考にしなければいけません。
その為、この器械も使い慣れた歯科医院で使用した方が良いでしょう。
また、レントゲンやダイアグノーデント以外にも、非常に明るい光を当ててむし歯を判定する方法があります。
こちらも、レントゲンと異なり被曝しないので非常に利点がありますね。
ただし、やはり最も確実と言われているのはやはりレントゲンですが、日本の臨床では色々な機器を併用するのが現実的でしょう。
参考文献:
1)Foster,L.V:Three years in vivo investigation to determine the progression of approximal primary carious lesion,British dental journal 185(7):353-7,1998.Majare,I.Kallestal,C.Stenlund
2)Mejare,Iら:Incidence and Progression of Approximal Caries from 11 to 22 years of Age in Sweden:A Prospective Radiographic Study.Caries Res,33(2):93-100, 1999.
3)H.Johnasan,H:Caries development from 11 to 22 years of age:A prospective Radiographic Study.Caries Res,32:10~16,1998.
YOU歯科 院長 歯学博士 石井 教生
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