乳歯の神経をとるかとらないか?について前回は詳しくお話をしました。
興味がある方はこちらをご覧ください。
↓ ↓ ↓
http://youshika-syounishika.com/%E5%AD%90%E4%BE%9B%E3%81%AE%E6%AD%AF%E3%81%AE%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E3%82%92%E3%81%A8%E3%82%8B%E3%81%8B%E3%81%A8%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%8B%EF%BC%9F.html
通常、歯科教育を受けた歯科医師は極力神経を残すように可能な限りいろいろな処置を行います。
その処置としては、多くの場合はむし歯のばい菌が歯の神経に達して、神経の周りにあるむし歯(ばい菌)を可能な限りとり除いて極力歯の神経が正常な状態に戻るような処置です。
一度神経が出てしまうと、治療成績が悪くなってしまうので通常は歯の神経が出ない範囲でむし歯を取り除き、神経が出そうな部分にはむし歯を消毒する効果がある薬剤(水酸化カルシウムなど)を置いて神経の回復を待つ治療を行います。
通常、ばい菌が強いもしくは数が多い(もしくはその複合)と神経の処置をしなければいけなくなることが多いのです。
例外的に歯をぶつけた場合なども歯の神経の処置をしなければいけないことがありますが。
むし歯のばい菌が歯の神経に到達してしまい、神経をとる以外に痛みをとる方法がない場合や腫れが出てきた時は歯の神経に対する処置を行います。
繰り返しますが、歯の神経は残した方が良いのです。
しかし乳歯の神経をとる処置を行わないと痛みがでてしまう場合、神経がばい菌に感染して死んでしまう場合など現在の時点で最良と考えられる治療である為にその感染して元の健康な状態に戻らない場合に限って神経をとって感染を防ぐのです。
それでは、乳歯の神経をとったあとの処置について詳しく説明しています。
乳歯の神経をとる処置には2つの種類があります。2つの方法どちらを行っても最終的には削った部分は金属やコンポジットレジン(プラスチックのような材料)を使用して形態を回復してあげないと機能面で問題が出ますのでいずれかの方法で修復処置を行います。
1.歯の頭の部分(歯冠部)の神経のみとってしまう場合
これは、専門用語では生活歯髄切断法と呼ばれる方法です。
乳歯の神経が先端までばい菌に侵されていないことが条件となります。
この場合成功すれば、乳歯の神経の骨の中にある先端部は通常の健康な状態(ただし、私の感覚では線維化していると思いますが)に保たれ比較的上手く乳歯と永久歯の交換がなされます。
2.乳歯の神経を根の先端までとってしまう場合
これは、専門用語では抜髄もしくは感染根管処置と呼ばれる方法です。
乳歯の場合(永久歯の場合も同様ですが)は、歯の神経をとってしまってその後に神経があった場所に、神経のかわりになるものの詰め物をしないとその場所にばい菌が繁殖してしまいます。
この場合の多くの歯科医は乳歯の神経をとった場所に吸収性の材料(私はビタペックスと言う商品名の製品を使用しています)を歯の神経があった場所に詰めます。
永久歯の場合はガッタパーチャーと言う材料を使用します。
しかし、乳歯にこのガッタパーチャーを詰めると、乳歯と永久歯が交換する時に、乳歯の根がうまく吸収しないと言う現象が起きてしまいます。
そのため、乳歯の神経をとる治療を行った後には多くの司会が用いるのは、吸収性のある材料を用いないといけません。
通常、自分の神経であれば永久歯がはえてくる時とともに乳歯の根(ここに神経があります)もちょうど良く吸収して乳歯と永久歯の交換がなされます。
自分の健康な歯でも稀に交換が上手く行かない時もあります。
その為、場合によっては乳歯を歯科医院で抜歯したり骨の中に埋まってしまった場合(これを専門用語で埋伏歯:まいふくし と言います)は矯正治療で引っ張り出さなければならない事になってしますのです。
自分の歯でも稀に乳歯と永久歯の交換不全が起こってしまいますので、人工的な材料を詰めれば多くの場合トラブルを起こしてしまう可能性が高くなってしまいます。
多くの吸収性材料は、乳歯の自分根のように適切な時期に吸収されることはありません。
私の経験上多くの場合は吸収されるスピードが速く、感染し化膿してしまう場合が多いです(その為私は、再び感染して腫れたりする可能性が高いですと説明しています)。
自分の体ではない人工物なので、人間の体のようにうまく適応してくれません。
ただし、乳歯の神経にばい菌が感染してそのまま放置すると、永久歯にも影響を与えてしまう可能性があります。
YOU歯科 院長 歯学博士 石井 教生
コメント